椅子と呼吸

受診した次の日、背中と胸の痛みはおさまっていた。呼吸の時も、食事をして飲み下すときも、痛いということはなかった。
取りあえず一安心。


でも、
椅子にかけた姿勢が、全般的に苦しくなった。
酸素濃度は93くらいまでいっても、脈拍が100を下回らない。口すぼめ呼吸をしても、脈拍が落ち着かない。


特に、背もたれが直角に近い食卓の椅子は、掛けていても苦しくなってくる。食事どころではない。
食事は、背もたれが傾斜しているソファーに掛けて、ダイニングの椅子をテーブル代わりにして、食べるようにした。


すると当然、トイレも辛い。特に、排尿して体の内圧が下がると、どーっと力が抜けて、必死に呼吸しても、腰かけた姿勢のままでは苦しさから回復しない。クラクラしながらベッドまで戻って寝転ぶ。
そこからの回復も遅くなった。
30秒後、脈拍118、酸素濃度82。それから2分経っても酸素濃度90、脈拍103… オキシメーターはピーピー鳴り続ける。
夜はポータブルトイレにした。


肺疾患というと「ベッドの頭の方を上げた姿勢の方が楽でしょう」なんていう看護師さんもいる。
そんなもんかなと思っていたけど、その理由は、横になると、心臓や肝臓が肺を圧迫するからなのだそうだ。


あの受診以来、私は頭をあまり上げない方が楽だと実感している。
私の場合、上肺がかたくなって、しかも慢性気胸で、肺が鎖骨の辺りまで下がってしまっているから、体を起こした状態は、健康(!)な下肺を圧迫してしまうのではないだろうか。


この病気について、しっかり観察して考えている人って…いないんだろうな。
σ( ̄∇ ̄;)