キーワード:「射幸心」

http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20081114/177301/?P=2

***>>引用開始>**

株式公開を目指すなど近代的な経営を志向するマルハンはかねて業態開発に力を入れていた。1995年には東京・渋谷のビル5フロアにパチンコ・パチスロ機を設置した「マルハン パチンコタワー」を開設、世間の耳目を集めた。

 若い男女がデートに使えるようにと、カップルシートを新設したり、ブランド品など景品の充実を図ったり、「どうすれば客を呼べるかを徹底的に議論していた」(韓副社長)。ところが、射幸性の高い機種が登場すると、「新しい顧客を呼び込む施策のほとんどが空回りし出した」と韓副社長は言う。店内は、高射幸性目当ての客の比率が高まっていたのだ。

 射幸性の高い機種さえ揃えれば、客足は途絶えず、利益が得られる。集客のために知恵を絞らずとも、パチンコ店とメーカーは互いに利益が取れる事業モデルが成り立った。
 バブル崩壊後の不良債権処理に悩む金融機関にとってもパチンコ店の拡大は望むところだった。銀行やノンバンクは次々と店に資金を供給し、この事業モデルを後押しした。「土地になかなか買い手がつかない時代だったから、店舗の用地確保にも銀行は進んで協力してくれた」とマルハンの韓副社長は言う。これまでの10年は、メーカー、店、銀行が三位一体となって成長できた“黄金時代”だった。

 だが、射幸性の高さを問題視する風潮は次第に高まっていく。管轄する警察庁はメーカーに高射幸性の機種を是正するように何度も求めた。それでも、改善する気配はなかったと、あるパチンコ店経営者は証言する。

**<引用終り<<***