死んでいくということ

石原慎太郎という人は、私の苦手なタイプの典型だが、彼が書いた「わが人生の時の時」は読み応えがあった。
そのなかに、死にかけている時の心境を書いたものがあって、「そう、こんな感じ…」とじわっと感動した。
読んだ当時は今ほど死が近いわけではなかったが、それまで漠然としていた感覚が「自分が一人きりで逝くしみじみとした感じ」という言葉でよみがえった。
この本は、他の人ならはしょってしまうような大事なことが、たくさん言葉にされている。
ぜひ本に書くべきだと勧めた大江健三郎の作家の直感に感謝。大江健三郎も苦手だけどw


では、今死に向かってどう感じているかというと、

とにかく孤独感が凄まじい。
単なる鬱状態なのだろうけど。「しみじみと」という余裕はない。

いずれにしろ、後は一人きりでゆく道。家族や回りの人を騒がせて困らせてしまうことについての、ひたすら申し訳ない気持ち。恩返しもできない。
いろんな事がどんどんできなくなって、自分自身をコントロールできないことが増えてきて、自己嫌悪と罪悪感に陥る。
人が死ぬとは大それた事なのだ、と今頃思う。
生きることを諦めない限り、病苦と孤独に闘わなければならない。


「運命は情け容赦なく、人生は間違いなくバカなものだ。けれどみんな自分一人でやっていくしかないのだ。だれにもほめられなくても、こんなふうに笑って。」
(吉本ばななサンクチュアリ」)


どうか、生きていく皆さんは、毎日を丁寧に生きていってください。

私に心残りはありませんよ。
お世話になりました。


味わい深い人生をありがとう (⌒‐⌒)