前世

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セミナーが人口に膾炙したのは80年代後半のこと。参加者が如実に変化した。エリート(の卵)から、ソーシャルワーカーや看護婦や教員たちへと、変わった。即ち、上昇欲求の非自明性(エリート)から、関係欲求の非自明性(弱者支援職)へと、焦点が拡大した。
■同じ頃、85年の岡田有希子自殺を機に、『ムー』誌の文通欄に「前世の仲間」を探すメッセージが溢れ、仲間同士で自殺する事件も続発した。今生における連帯の動機の希薄さを、前世の連帯という架空の事実で埋め合わせる営み。ここにも動機づけの非自明化があった。

■G・ベイトソンなら「スキゾジェネシス(分裂生成)」と呼ぶ相互昂揚の悪循環を、今日「嗜癖」と呼ぶ。複雑な社会で、寄る辺なき者が最後に縋り付く地面が「正義」となる場合、「正義の強迫的追求」と「生きにくさ」とが嗜癖的な悪循環を構成しがちなのだ。

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