会議

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 1時間半の会議の間には、実に約40ものテーマを次々に取り上げました。そして、その場で今後何をするのか、物事をどんどん決めていったのです。尚、この会議について一人でも多くの方に知っていただきたいと考えて書いた書籍『吉越式会議』(講談社刊)に、具体的な会議の方法や手順をさらに詳細に書いています。例えば、どんな議題が出たのか。本では実際のテーマでの社員とのやりとりも具体的に紹介していますが、ここではスペースがありませんので、ある日の会議のテーマを少しご紹介しましょう。

・バーゲン時の値札の貼り替えコストについて
・eビジネス関連のクレーム対応
・有給消化率をどう向上させるか
・就職人気ランキングが下がった理由
・電子メールの法的証拠能力について
・巨人戦のロイヤルシートの利用状況
・ジュニアブラのデザインについて
・直営店の撤退基準をもっと明確に

「おい、あれは、どうなった?」が解決に向かう
 こう並べてみると、内容があまりにバラバラ、しかも大きなものから細かなものまで、とりとめのない内容が議題になっているように思われるかもしれません。議長である社長の「おい、あれは、どうなった?」が並んでいるようです。しかも、早朝会議ではこういう議題が次々と担当者に諮られ、一つ2分ほどで、どんどん物事の決定へと導かれていったのです。議長である私が聞きたいことを聞き、問題を解決へと導くきっかけを作る。それが、前の会社で行われていた早朝会議の形態でした。

 会議は議長である私が主導しました。40ほどの議題の大部分を用意するのも議長である私。まずは、その日にデッドライン(締め切り日)が設定されている議題を取り出し、担当者の発表に基づき一つずつ処理していきます。また、時間を見ながら、新しい問題なり、気にかかったことを取り上げていきます。出席者の中から新しい議題が持ち出されることもよくありました。そして、議題が出てくれば「誰が、何を、いつまでに」のデッドライン(原則として翌日)を決め、担当者にその解決案の作成を任せるのです。

問題には、いつまでたっても手を付けられない
 会議で行うべきは、解決案を作成し、実行する担当者を決め、デッドラインを決めることであり、問題を解決へと導くきっかけを作ることです。そして、いったん解決案が認められ、実行に入り走り出したら、改めてデッドラインを引き直し、課題解決の進捗状況を聞き、間違えた方向に進んでいないかを面倒でも確認していく。

 その際、担当者のレベルによって微妙にデッドラインの頻度を変えていかないといけません。上司として、何か失敗が起きた際、「そんな事は聞いてなかった」などというのは許されないことですし、上司としては失格です。言ってみれば、社長や社員が見つけた社内の問題点や課題について、担当者を決め、解決への道筋を付け、最後まで処理していく場が、会議だったのです。

 どうして、会議が大きな成果を生み出したのか。それは会社内の問題点や課題を次々に解決できたからです。これは、意図的にやらなければいけません。なぜなら、そのままではいつまで経っても問題点や課題は解決できないからです。ましてや、会社のレベルは、その仕事の徹底度で決まると言われています。ですから、そこまでやるのかと言われるまでやってしまえばいいのです。

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