切り取り

2007/12/14 12:12:08 ほぼ日刊イトイ新聞 -サイシン


・「ほぼ日」をスタートさせたころ。
インターネットというものが、
いまより、もうちょっと珍しかった時代に、ぼくは、
「遠くの人とつながる」こともいいけれど、
「近くの人とつながる」ことがおもしろい、と
考えておりました。
つまり、海外のめずらしい食べものを知るのにも、
インターネットは便利だけれど、
おいしい肉ジャガの作り方を
近所のおばさんに教えてもらうのに、
インターネットという仕組みは、とても役立ちそうだ。
というような期待をしていたのです。
「遠く」もいいけど「近く」もね、ですね。
人が、ほんとうに知りたいのは、
自分の隣りでこっちを見ている人のことなのではないか。
そんなことを、思っていましたが、
このごろ、ますますそんなふうに思います。
・「祭り」もいいけど「日常」もね、
「特別な日」もいいけど「なんでもない日」もね、
「すごい」もいいけど「ふつう」もね、
というような考えも、ずいぶん育っています。
これは、「なんでもない日、おめでとう」という
ほぼ日手帳」というコンテンツに、
そのまま反映されているように思います。
・競争で進歩していくものもあるだろうけれど、
教え合い助け合って伸びていくものもあります。
「休み」はムダなものという考え方は、
どうやら古いだけでなくまちがったものになりました。
「寝ないでがんばる」ことがよしとされている時代には、
眠ることの大事さは、軽くみられていました。
でも、「眠る」は「起きている」と同じように大事。
そういう話が、ちゃんと通じるようになってます。