備忘録:「ララピポ」「日出る処の天子」

奥田英郎「ララピポ」
生と性愛とコンプレックス
突飛な設定ようのようだが、ありそうに感じる。
2000年〜2005年の連載。
規範意識のたがは家族や(地域)共同体によってはめられるのだということがわかる。
個人の心構えが堕落したのではない。
登場人物は皆孤独である。故に、
フロイト的には「死の欲動」への歯止めが弱い。


山岸涼子「日出る処の天子」
聖徳太子のお話なのだが、
時代考証がきちんとしていて、
「天才」の鬼気迫る心理描写が巧い。
「頭がいい」とはそういう一面がある。
「超能力」もその延長線上に続いているように描かれている。
朝廷をめぐる政治の描き方もリアルだ。