キーワード:「敵の抹消」

前のエントリーの参考資料

http://www.miyadai.com/index.php?itemid=641
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僕は邦男さんの処女作から読んできたけど、30年経ってようやく現代政治学の最前線が邦男さんに追いつきました。シャンタル・ムフによれば、ラディカルデモクラシーは二つの意味で「敵の抹消」に抗います。
 一つは「みんな仲良し」とか「対立がないのが良い社会」といった意味での「敵の抹消」。そんな社会じゃ誰も政治に参加しなくなります。もう一つは「民主制を認めない奴は抹殺する」という意味での「敵の抹消」。民主制を認めない奴でも、当座は暴力を振るわないというなら存分に喋らせる。それが民主主義だと。民主制は統治の問題ですが、民主主義は市民の覚悟の問題です。邦男さんと瓜二つでしょ。
 …日本では「一宿一飯」って言います。恐いと思ってる奴と一緒に飯を食うとか、一緒に喋るっていうだけで「意外にもイイヤツだな」「信頼できる奴じゃん」みたいになる。プラトンのいうミメーシス(感染的摸倣)です。意見が一致するかどうかはどうでもいい。それが「変わる」ってことです。そうしないと幼稚な硬直状態から永久に逃れられません。

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