キーワード:「偏桃体」

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人は危険な方向に確証バイアスが起きやすいという性質があり、悪い方向に考えてしまいます。

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ラットで、ある音なり光なりに条件付けられた恐怖反応は、もし扁桃体へ投射する特定の皮質領域(内側前頭前野)が損傷を受けると消去することが非常に難しくなるといわれています。内側前頭前野皮質は外界の出来事や扁桃体で感じたこと(例えば、恐怖感)をもとにした、扁桃体からの出力を制御する働きをしているようです。

ラットのこの領域を損傷したところ、恐怖条件刺激が与えられると、損傷を受けていないラットが恐怖反応を示さなくなった後でも、引き続き恐怖反応を示し続けるという実験結果があります。神経症の人も皮質の損傷を受けた扁桃体は、刺激がもはや危険とはかかわりのないことが示されても、しつっこく恐怖反応を示し続ける。扁桃体の興奮による恐怖反応を鎮めるには、前頭葉の働きがなくては抑制をかけられないということがわかってきました。扁桃体を制御するためには、いわゆる理性の働きが必要なのです。

また、人が前頭葉の損傷を受けた場合の特徴のひとつには固執があります。すなわちいったんその動作が適切でないと判断しても、それをやめられなくなるのです。固執(こだわり)はふつう認知あるいは思考の障害と考えられています。実験によると認識性固執前頭前野皮質の外側領域への損傷によって引き起こされ、情動性固執は内側前頭前野の狭い領域の損傷で引き起こされたと報告されています。前頭前野の外側部と内側部は変化する状況に行動を適応させつつ、前頭前野が協同して働く領域によって定められている認知あるいは情動の機能に関連して同じ作業を行うのでしょう。

最近の研究によれば、海馬と同様に前頭前野は過剰なストレスホルモンの放出を制御するように働く。ストレスが長引くと、この負のフィードバック制御機能が崩壊するので、前頭前野と海馬は両方とも障害を受けるといわれています。ストレスによって引き起こされる前頭前野の機能低下は扁桃体へのブレーキ(制御)を緩めて、新たな学習は強化するが、以前の学習は消去しにくくなり、以前に消去されたはずの恐怖条件付けなども再発させるような働きをすることもあるようです。しかしながら、不安障害で悩んでいる人が、前頭前野に損傷を負って生活している訳ではありません。脳の損傷における極端な例の説明と判断してください。一般には、ストレスによって脳機能に異常が起き電気的あるいは内分泌の微妙な変化が関与しているだけのようです。

パニック発作で苦しんでいる人は、ある時ある場所で経験した症状がまた起こりはしないかと不安で避けるようになるのですが、そういった、以前に症状を起こした場所や状況(条件刺激)は扁桃体を無意識的に活性化し、同時に側頭葉の記憶系にも到達し、最初の外傷体験を呼び起こし、その外傷体験を呼び起こした最近の出来事を思い出させてしまいます。このような思い出し意識された記憶は(扁桃体によって恐怖反応が無意識のうちに活性化されたために)、強い情動反応が引き起こされたことを自覚することとあいまって、不安と当惑を意識にのぼらせるのです。

情動反応が起こったことの認識の流れは、今度は大脳皮質と海馬から出て、さらに扁桃体を刺激します。そして、扁桃体の反応が身体的に表現されると、皮質は情動表出が進行中であるということを認識し続け、さらに不安感と不安に関する記憶を強めてしまいます。脳はこのようにして情動と認識の両方の興奮の悪循環にはまり込み、燃え盛る炎のように勢いを増してしまうのです。こういった症状を解消するためには、退行催眠によりパニック発作が起きた因果関係を明確にし、前頭前野(理性)による扁桃体(情動)のコントロールを可能にすることです。 ( 以下 略 )