嫉妬

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引用開始

■反事実的な共通前提の維持が「家族/非家族」の差異を作り出す。共通前提はかつての血縁関係や共住共食と違い、成員外の誰もが知る合意事項ではない。成員だけが内容を知り、前提維持への個人的なコミットメント度(家族契約!)が各自の「家族度」を決める。
■その意味で、血縁関係や共住共食がなくても、夫婦は家族だ。だが共同で維持される共通前提は、選択したものではなく、むしろ選択できないことで全選択の背景をなすような選択前提だ。だから選択前提の虚構ぶりが明らかになった途端、全選択が不可能になる。
■先のような動機でスワッピングに参入する夫婦は、「ある晴れた朝、突然に」こうした破綻を経験した。「家族/非家族」の差異化に用いる共通前提への個人的コミットメントは破棄された。定義では家族解散──。「にもかかわらず」、二人は別れない選択をした。
■その際、嘘を予感しながらも一緒に居続けた、または、嘘がばれてから喧嘩しながらも一緒に居続けた、という事実の共有が、別水準のありそうもなさ──新たな共通前提──として見出されている。但し今度は、自然発生的な虚構でなく、敢えてする事実の共有だ。
■新たな共通前提は、敢えて別れない選択をした瞬間、同時に選ばれた。今度の共通前提は再帰的だ。浮気合戦や痴話喧嘩の「地獄」は、旧約の離陸面から新約の着地面への跳躍に必要不可欠な「祭り」だったのだ(選択前提をも選択の対象とすることを再帰化と言う)

引用終わり